通形ミリオ(とおがたみりお)ルミリオン【ヒロアカキャラ解説】

ヒーロー名は「ルミリオン」。個性は透過。身長181センチ、血液型はO型。雄英高校ヒーロー科3年B組。現在の雄英のトップクラス「ビッグ3」の一人。サー・ナイトアイの下でインターンをしている。

人物

筋肉質でユーモアのある雄英高校3年生。「ビッグ3」の中心的存在。同じ「ビッグ3」の天喰とは小学校3年生からの付き合いで(天喰は転校生)、お互いを下の名前で呼び合っている。明るく、お人好し。表面的な性格は、内気で真面目な緑谷とは正反対。

本人に悪気はないのだが、その “透過 “の個性から隙あらば服を脱ぎ、人前で裸を晒して周囲を驚かせる。
また、初対面の人の前でも一発芸で笑いを取ろうとする悪い癖がある。ギャグセンスに欠けるため、大抵は口を滑らせて周囲を唖然とさせる。
しかし、普段の突拍子もない言動とは裏腹に、困っている人を見るとお節介を焼かずにはいられない素朴なヒーロー気質があり、いざとなると相手を震え上がらせるほどの凄まじい気迫で圧倒する。

“ビッグ3 “と呼ばれ、ヒーロー育成の最高峰校、雄英高校でもトップクラスの実力を誇る。相沢先生からは「プロを含め、俺の知る限り最もNo.1に近い男」と評される。
インターン先のサー・ナイトアイからはプロのパートナーのように扱われ、現場では単独行動を許されるほどだ。

しかし実際には、入学当初は個性を活かしきれない典型的な落ちこぼれで、成績はクラス最下位。(本人曰く、「成績は落ちたし服も落ちた。」)。才能に恵まれなかったミリオだからこそ、自分の弱さを理解し受け入れる現実的な思考を持ち、それをひとつひとつ克服してきた自負があるからこそ、どんなに傷つき打ちのめされても折れない精神的な強さを身につけた。
その精神力に加え、地道な鍛錬で磨かれた人格と、サー・ナイトアイの下で戦った経験により、名実ともにトップクラスのヒーロー候補生となっている。

コスチューム

コスチュームは自身の髪でできており、個性が発動するのと同様に透明で脱ぐことができないデザインになっている。
川で溺れていたところを助けてくれたヒーローのコスチュームとデザインが似ており、胸には1000000がデザインされ、ヒーローマントが羽織られている。

緑谷出久との関係

緑谷出久とはサー・ナイトアイの事務所の先輩後輩の間柄。
緑谷がオールマイトの “人々を笑顔で救い出す姿 “に憧れるように、ミリオは “ありったけ沢山の人々(ミリオン)を救ってみせる “という決意でヒーローを名乗った。救えるヒーローという点では、2人のヒーロー観は共通している。
しかし、ミリオ自身も知らないうちに、実は2人の間にはオールマイトをめぐる複雑な事情と、「ワン・フォー・オール」という個性の宿命がある。

オール・フォー・ワンとの決戦から数年後、ヒーローとしての限界を感じ始めていたオールマイトは、根津校長から後継者探しのために雄英高校への赴任を勧められる。
校長は通形ミリオを “後継者にふさわしい “と推薦する。

しかし、オールマイトは彼に会う前にすでに緑谷を後継者として見つけており、結果として「ワン・フォー・オール」はミリオに伝わらなかった。
そのため、ミリオ自身も自分が「ワン・フォー・オール」の後継者候補であることを知らず、緑谷もその事情を知らされていなかった。

オールマイトの元パートナーであるサー・ナイトアイは、”無個性 “の緑谷が後継者に選ばれたことを知ると、それに反発するようにミリオの育成を始めた。
サーが師匠になった本来の目的は、道形ミリオという一人の弟子を育てることではなく、彼が予見していたオールマイトの未来を変えるために、彼の考え方を変えることだった。

サーはミリオの底抜けのエネルギーとユーモアに「未来を明るく照らす力」を見出し、彼こそがオールマイトの後継者にふさわしいと信じた。
一方、緑谷と初めて会った時、オールマイトにある理解しきれない強い思い(本人曰く「底に宿った狂気」)に似たものを感じたという。
また、ミリオは緑谷にどんなヒーローを目指すのか尋ねたとき、そのまっすぐな瞳と傷だらけの腕を見て、緑谷の必死さに正直驚いた。
必死に理想を追い求める緑谷に比べ、ミリオはどこか現実的で地に足の着いた考え方をしているように見える。

緑谷にはオールマイトの思いに共鳴する「何か」があり、それがオールマイトに選ばれた最大の理由だった。
しかし、いくら素質があるといっても、緑谷はまだまだ発展途上の高校1年生である。グラントリノやサー・ナイトアイが指摘するように、社会を脅かすヴィランは緑谷の成長を待ってはくれないし、オールマイト引退後の社会情勢は彼らの想像を超えるスピードで目まぐるしく変化している。

死穢八斎會との戦いの後、緑谷がミリオと自分を比較して打ちのめされるシーンがあるが、彼との出会いが緑谷に自分の理想と現実、オールマイトの意志を継ぐ者としての使命の大きさを改めて認識させることになった。

個性

個性は「透明」。
発動中はすべてをすり抜ける。

どんな攻撃もすり抜け無効化するため、敵味方関係なく「無敵の個性」と形容される。
また、この個性を応用して、ミリオはワープに似た高速移動術を会得している。
肉体を物体に重ね合わせた状態で個性を解除すると、瞬時に “弾き飛ばされる”。この個性に熟練すれば、その時の姿勢や体の向きを調整することで、自分の体が「弾き飛ばされる」方向をコントロールでき、地中の好きな場所に瞬時に移動できると言われている。

ただし、理論上は可能だが、実戦で使いこなすのは容易ではない。
個性が発動している間、彼の身体はあらゆる物体に無差別に浸透し、光や音、空気さえも身体をすり抜ける。全身が透明化すると、何も見えなくなるし、何も聞こえない。一時的に完全に麻痺した状態になり、呼吸もできなくなる。

さらに、個性が活性化している間は地面まで浸透するため、足の裏でも個性を活性化させれば、地球の中心に向かって「落下」することになる。
したがって、たとえば壁一枚をすり抜ける場合でも 

(1)こちら側の足以外の全身を透過する。

(2)もう片方の足の透過を解除し、接地する。

(3)残った足を透過して壁をすり抜ける。

 

この個性を真に使いこなすためには、必要なときに必要な部分だけを瞬時に透過させる正確な技術だけでなく、常に周囲より一歩先の未来を予測する判断力が不可欠だった。

ミリオが雄英高校に入学後、出遅れたのは、この個性が主な原因であり、父親からも「この個性を扱うのは難しいから、ヒーローになるのはあきらめた」と言われたこともあった。

長年の修行とサー・ナイトアイのもとで培った予測・判断能力によって、ミリオはこの扱いにくい個性を、まさに無敵の個性へと変貌させることができた: 「どんな場所にも瞬時に移動でき、どんな攻撃も受けない。

必殺技

*ブラインドタッチ目潰し

相手の眼球に指を向けることで、目隠しされているような錯覚を起こさせる。
劇中ではこの技で緑谷をひるませ、腹に強烈なパンチを叩き込んだ。
一見、一発芸のように見えるが、個性そのものが攻撃力に欠けるミリオにとって、時にはちょっとした小細工も必要なのかもしれない。

* ファントム・メナス

壁から壁へ。目にも止まらぬ連打を浴びせられながら高速移動を繰り返す大技。

名前の由来は、映画「スター・ウォーズ」シリーズの新3部作の第1作目のサブタイトルである「ファントム・メナス」から来ていると考えられている。

活躍

短い夏休みが終わり、雄英高校の2学期が始まった頃。
後輩同士のケンカの噂を耳にして面白がったミリオは、爆豪との喧嘩で謹慎中の緑谷の前に突然、顔だけ宙に浮いた謎の男として現れる。
その時はまともな紹介もなく別れたが、翌日、1年A組の生徒たちの前で、ミリオは相沢先生から雄英高校のビッグ3として紹介され、天喰、波動とともに再び姿を現す。
ミリオは後輩たちにヒーローインターンシップの有用性を教えるため、模擬戦を提案する。
A組の生徒(轟と爆豪を除く18人)を戦闘開始5秒で半数を腹パンで戦闘不能に追い込み、残り半数も余裕であっさり制圧した。
そして、ヒーローインターンを希望していた緑谷をサー・ナイトアイに紹介し、サー・ナイトアイ事務所でのインターンが始まることになった。

インターン初日、一緒にパトロールをしていた緑谷は、何かから逃げてきた包帯だらけの少女壊理、そして彼女を追ってきた死穢八斎會の重鎮オーバーホールに出会う。
指示を仰げるプロのヒーローがいない中、彼らは難しい決断を迫られる。少女を守ること、捜査を続けること、どちらを優先すべきか。ミリオは捜査の邪魔にならないよう冷静を装うが、緑谷は明らかに怯えている壊理を見捨てることができず、食い下がる。オーバーホールと2人の間には不穏な空気が流れたが、結局、壊理が緑谷のもとを去り、オーバーホールのもとに戻ることで事態は落ち着いた。

その後、サー・ナイトアイ主催の会合で、「個性」を打ち消す薬の原料として壊理が人体実験を行われている可能性が示唆され、2人はショックを受ける。
プロのヒーローは、時に人生を左右する重大な決断を迫られる。誰もミリオを責める者はいなかったが、彼は自責の念にかられ、落ち込んだ様子で、一刻も早く壊理を守ることを誓っていた。

死穢八斎會への強制捜査の日。死穢八斎會の面々が全力でヒーローたちを足止めする中、ミリオは「透過」の個性を活かして壊理の元へ最速で辿り着き、オーバーホールたちに一騎打ちを挑む。
数的不利を感じさせない圧倒的な強さを見せ、壊理を守りながら、玄野、音本、酒木を一気に倒し、オーバーホールを追いつめるが、驚異的な粘りで息を吹き返した音本によって完成された個性破壊弾を受けてしまう。

絶望的な状況。しかし、個性を失っても、サーたちが到着するまで、壊理にかすり傷ひとつ負わせることなく彼女を守り、一人で戦い続ける。

個性が無くてもヒーローになれる程、プロの世界は甘くない。
だが、”無個性”の彼は、その場にいる誰よりもヒーローだった。

かつて緑谷出久がオールマイトの前で見せたように、本物のヒーローとしての底知れぬ可能性を垣間見せた。
サー・ナイトアイは致命傷を負い、運ばれた病院で息を引き取った。
彼は恩師を失い、プロのヒーローとしての未来も失った。その両方を一日で失ったのだ。

翌日、病室を見舞った緑谷に、ミリオはいつものように気さくに挨拶した。
すべてを失っても前向きなミリオの姿を見て、緑谷はその強さに圧倒された。ミリオは緑谷を励まし、一日も早い復活を誓った。

雄英文化祭では、エリちゃんをエスコートしてA組の演技を鑑賞し、微笑むエリちゃんを見て涙を流して喜んだ。
その後、エリちゃんの身は雄英高校に預けられた。

超常解放戦線との全面戦争では、死柄木の復活、ギガントマキアら連合メンバーの合流、荼毘による告発などでヒーローたちは窮地に立たされ、緑谷も死柄木との戦いで負傷した。
帰ってきたベストジーニストは連合メンバーを炭素繊維ワイヤーで拘束したが、マキアは拘束具を引きちぎろうとし、さらにハイエンド脳無4体がジーニストたちに襲いかかった。…… その時、地上からミリオが現れ、透過能力を使って脳無たちを蹴散らした。

前日にバブルガールから掃討作戦の情報を得ていた彼は、役に立ちたいという復帰の意志を見せ、2ヶ月の訓練で制御を覚えたエリに(彼女の気持ちを考えて)頭を下げ、自分に巻き戻しを使ってみて個性を取り戻してほしいと頼み成功した。
山荘から連絡を受けたミリオは、緑谷たちのいる蛇腔市に急行した。
しかし、4人の無脳を一人で相手にするのは難しく、すぐさま大声で助けを求め、飯田、傷ついた状態の爆豪、ねじれとともに、ヴィラン連合を拘束するベストジーニストをかばった。
その後、マキアにかけた麻酔が効果を発揮し、その機能を停止させた後、死柄木の覚醒のために時間稼ぎをする満身創痍のミスター・コンプレスをワンパンし、拘束から逃れた死柄木とスピナーを確保しようとするが、オールフォーワンの人格で覚醒した死柄木の電波の衝撃波で吹き飛ばされる。
アニメでは再び死柄木と対峙するが、側頭部を背後から刺され気絶。

余談。

* 「ルミリオン」というヒーロー名について、ミリオ本人は「レミオロメンみたいでカッコイイ」とコメントしているが、名前自体は1931年のフランスの喜劇映画「ル・ミリオン」に由来すると言われている。

* ヒロアカアニメ第四期後半(文化祭編)後半のエンディングでは、1年A組の就寝時のカットとともに、ミリオが夜中に悪夢から目覚めるカットが挿入された。人前で傷ついた姿を見せることはなかったが、一連の事件で大きな精神的ショックを受けていたに違いない。

* ワン・フォー・オール」の後継者候補として作中、主人公の緑谷自身が、もしミリオが「ワン・フォー・オール」を受け継いでいたら、「ワン・フォー・オール」の後継者候補になっていたかもしれないと考えるシーンがある。しかし、現在の “ワン・フォー・オール “には蓄積された大きな力によるハンディキャップがあり、仮にミリオが “OFA “を継承したとしても肉体的負担が大きすぎることが後に明らかになる。
ヒーローを目指す多くの人々の中で、緑谷一人にオールマイトの力を受け継ぐだけの精神的資質があったかどうかは定かではない。
オールマイトは、緑谷やサーが疑問を呈しても、あえてこの点を明言することを避けてきた。ミリオ、爆豪、轟を後継者に選んだ可能性は否定しなかった。さらに、体育祭で雄英高校の生徒たちを「素晴らしいヒーローの卵たち」と評しており、彼らが純粋にヒーローを目指すのであれば、平和の象徴を受け継ぐ資格はあるだろう。

名台詞/名言

『ヒーローがマントを羽織るのは!痛くて辛くて苦しんでる女の子を包んであげる為だ!』
『これまでの全て何も無駄にはなってない 俺は依然ルミリオンだ!!』

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