常闇踏陰 (とこやみふみかげ)ツクヨミ【ヒロアカキャラ解説】
ヒーロー名は漆黒ヒーロー「ツクヨミ」。個性は黒影(ダークシャドウ)。身長158センチ、血液型はAB型。雄英高校ヒーロー科1年A組。
人物
常闇は鋭い目と赤い瞳孔を持つ黒い鳥のような姿をしているが、首から下は普通の人間に見える。首にはチョーカーを巻いている。自ら進んで前に出るタイプではないが、成績は優秀。
やや古風な話し方をする正直者で、字はかなりうまい。ちょっと中二病っぽい雰囲気があり、それは部屋のセンスにも表れている。
彼の部屋を見たA組のメンバーを仰天させた。
クラスでも屈指の強さを誇る彼は、戦闘面でも黒影の遠距離攻撃と防御を使い分ける判断力と戦闘力を備えている。弱点である接近戦での相性の悪さへの対策として、雄英体育祭でオールマイトに「個性に頼る部分が大きい」と指摘され、期末試験でリカバリーガールに「間合いにさえ入れば脆い」と指摘されたことから、体力の強化を目標に掲げている。
個性
「いいぞ黒影。そのまま俺たちの死角を見張れ」
個性は「ダーク・シャドウ」、伸縮自在の影のような怪物で、それを操って戦闘することができる。モンスターは知性があり、互いに会話することができる。愛嬌があり、命令に忠実である。
闇が深ければ深いほど攻撃的になるが、強い光の下では戦意が薄れ、逃げ腰になる。太陽光の下では攻撃力は低いか中程度。
夜の闇の中では巨大な姿となり、絶大なパワーを誇るが、制御が難しく、深まり続ける怒りの影響で凶暴性が増すと、完全に制御不能となり、動くものすべてを無差別に攻撃する非常に危険な状態になる。
しかし、この状態であっても、何らかの光を作り出すことで瞬時に沈静化させることは可能である。
ヒーローコスチュームでは、全身を覆う遮光性の黒いマントを着用しており、戦闘時以外は消耗を避けることができる。
しかし、攻撃、防御、移動と万能であり、弱点である光に当たらない限り無敵の能力を誇る。特に防御面では、強力な轟の凍結をはじめ、ほとんどの物理攻撃に耐性があり、カミナリや爆豪の攻撃は弱体化こそするものの、完全に防ぐことができる。
攻撃面では、非常に長い射程と素早く強力な攻撃で相手を寄せ付けないため、中距離戦では無類の強さを誇るが、懐に入られると危険である。
ちなみに、ダーク・シャドウは意思を持ち、他者と意思疎通ができる。自分が常闇の個性であることも自覚している。常闇からの命令には元気よく「アイヨッ!」と答える!あまりの可愛らしさにミスター・コンプレスが芸人としてスカウトしたがるほど。アニメ版の声優は細谷さんで、常闇本人と同じ。
怒るとかなり荒々しくなり、その姿は昼間のマスコット的な可愛らしさとは正反対で、個性というより悪霊か祟り神に近い。大きさは元の数倍に膨れ上がり、攻撃力も比べものにならないほど強く、まさに怪物である。
常闇は黒い影に吸い込まれるように動けなくなる。黒い影は敵味方の区別がつかなくなり、音などの刺激をきっかけに自由自在に攻撃する。森の木を平気でへし折る力があり、もし当たればタダでは済まないだろう。
林間合宿の個性伸ばし訓練では、「暗闇でも黒影を操る」ため、洞窟で黒影と対峙した。
必殺技
* 深淵闇躯(しんえんあんく→ブラックアンク)
黒い影を体にまとわりつかせる技。フィジカルや接近戦の弱点を補う技。技名は当初の構想から言いやすいように変更されている。
* 深淵闇躯 夜宴(ブラックアンク サバト)
黒い足首を両腕の中心に巻きつけ、巨大な爪となって敵を切り裂く。
* 宵闇よりし穿つ爪(よいやみよりしうがつつめ
黒い影の両腕を一直線に伸ばし、力強く攻撃する。
* 黒き腕の暗々裏(くろきかいなのあんあんり)
黒い影の両腕が大きく長い弧を描き、広範囲に薙ぎ払う。
* 黒の堕天使(くろのだてんし)
常に浮遊状態にあるダーク・シャドウが、その身を掴んで宙を舞う技。ホークスでの修行時代に編み出された技。
* 終焉(ラグナロク)
自在に操れるようになった無敵のダークシャドウを前方に放ち、圧倒的なパワーで一直線上のあらゆるものを粉砕・破壊する。暗いが明るい地下通路の入り口付近で行われた。
敵を暗闇で覆い、動きを封じる「終焉 “胎”」という応用技もある。
段階による変化
* 弱体化時
火や光で弱る。いつもより一回り小さくなる。常に涙目になり、言動が弱くなり、人間一人を持ち上げられないレベルまでパワーが落ちる。小動物タイプ
* 通常
普段の生活でも戦闘でも太陽光の下での状態。機動力、スピードともに安定。友好的で協調性があり、友人や兄弟のような親しみやすさが目立つ。相棒タイプ。
* 日陰にいるとき。
OVAではレスキュー訓練に登場。崖下などやや暗い場所で発現するやや気性の荒い状態。当初はトレッドシェイドの指示に反発していたが、再三の要請により「しょうがないなぁ」と舌を出しながらトレッドシェイドに協力する。反抗的なタイプ。
* 暴走時
真夜中の闇とトレッドシェイドの不安定な精神が引き起こす暴走状態。パワーと凶暴性が爆発し、誰にもコントロールできない破壊力となる。狂乱の戦士タイプ。
超自然解放戦線との戦いでは、この状態でコントロール可能となり、リ・デストロとの戦いに力づくで勝利するほどの力を見せた。
活躍
USJ襲撃の際、黒霧の個性により口田とともに飛ばされた。
雄英体育祭では、第1種目の障害物競走を7位でクリアし、第2種目の騎馬戦ではデク、麗日、発目と組んで4位入賞。
最終種目のガチバトルでは、1回戦で八百万、2回戦で芦戸、準決勝で爆豪と対戦。準決勝では爆豪と対戦し敗れた。表彰式では3位の表彰台に上がったが、その時の爆豪の言動に唖然。 職場体験では、当時3位だったホークスの元へ。
期末試験では、蛙吹とチームを組み、至る所に現れるエクトプラズム氏に挑んだ。蛙吹は常闇の個性と先生の個性を理解し、自分の個性と常闇の強さの特徴を生かすことで、チームをテスト合格とミッション完遂に導いた。互いに協力し合い、最後は捕まったものの、ほとんど無傷だった。カフスを隠しながら確保した機転も見事だった。結果はほぼ文句なしだった。
キャンプ3日目の夜、肝試しの最中にヴィラン連合である開闢行動隊が襲撃してきた。そのうちの一人、ムーンフィッシュ死刑囚に攻撃されて障子が負傷し、黒影のコントロールが効かなくなり、暴走。
「俺から離れろ!死ぬぞ!」
駆けつけたデクは、彼を守るか、ヴィラン連合の目的である爆豪を守るかの選択を迫られる。暴走するブラックシャドウをなんとか誘導し、爆豪と轟の元に導き、それぞれの個性を活かして黒影の暴走を止め、2人を救う。
この策は一見、独創的な良案に思たが、ミスター・コンプレスは、力を合わせた直後の安堵感につけ込み、本来の目的であった爆豪を誘拐してしまう。デクたちの必死の追跡も虚しく、爆豪は拉致される。
ヒーロー仮免許試験の1次試験では、開始直後に傑物学園高校の攻撃を受けて1年A組のメンバー全員が散り散りになるが、終了間際に青山のレーザーを発見して残った1年A組のメンバーと合流し、ギリギリで1次試験を突破。
二次試験では、持ち前の個性などを生かした救助活動を続け、見事ヒーロー仮免許を取得。
その後、ホークスのもとでインターンや職業体験に参加。しかし、その個性を持ってしても、人心を動かすような活躍はできなかった。
しかし実際には、当時無敵を誇っていたホークスに対する常闇の態度が、学生に対する彼の認識を一変させた。
学生を市民と同じように守るべき対象として見ていたホークスの認識が変わったことで、ヒーロー陣営は以後、激変した。
雄英文化祭では「Aバンド」でギターを担当。過去にギターを弾こうとしたことはあったが、Fコードでつまずき、一度断念した。自主的にギターを弾くつもりはなかったが、他にギター候補がいなかったため、再挑戦することにした。音楽経験のある爆豪が問題点や欠点を指摘し、耳郎が指導と助言を行った。
A組・B組合同戦闘訓練の第2試合に登場したのは、Aグループが青山、八百万、葉隠、常闇、Bグループが小森、拳藤、黒色、吹出の4人で、開始前から黒色との中二病対決?が勃発。終始ホークスで学んだ技を駆使して戦った両者だったが、小森の攻撃でダウン。第2試合はB組が勝利。
超常解放戦線との戦いでは、上鳴、骨抜、小森とともに前線でプロヒーローをサポートし、ファットガムとともに新技で地下の秘密通路を破壊して使用不能にした。
その後、上鳴らとともに後方に戻る予定だったが、ホークスの危険を察知すると、ファットガムから降りて救援に駆けつけた。荼毘の炎の影響で黒影パワーが使えず手も足も出なかったが、なんとか逃げ切り、ホークスをレスキュー隊に連れて行くために戦線を離脱した。事件後、上鳴とともにセントラル病院に入院したが、無事退院。
第二次決戦では、オール・フォー・ワンとの戦いでホークスとエンデヴァーをサポートするため、蛇空病院跡地に転戦。エンデヴァーが一時オール・フォー・ワンの攻撃を受けた際には、耳郎とともに現場に急行し、戦闘に参加した。耳郎とホークスは連携し、オール・フォー・ワンのマスクが耳郎とホークスによって砕かれると、一撃を加え、オール・フォー・ワンのマスクを破壊することに成功した。
余談。
* 騎馬戦での活躍や言動から、読者からはイケメンと評されている。
* 作者お気に入りのキャラクターの一人で、本編のプロフィールでは「クソかっこいい」つもりだったが、世間との感性のギャップを気にしていたと語っている。
* しかし、第1回人気投票で7位に入賞した際には、ツイッターで「個人的に嬉しい」とつぶやき、世間からの人気に安堵した様子だった。
名台詞/名言
『(俺を)選んだのはお前だ』
『今は悔恨より、この戦いを己の糧とすべきだ』